海外FXのMAM口座とPAMM口座の違い、さらにシステムトレードやコピートレードと何が違うのか

PAMM

FXでは自分自身の判断でトレードする裁量トレード以外にも、MAM口座やPAMM口座、EAによるシステムトレードやコピートレード、ミラートレードといった自動売買取引も可能です(FX業者によって対応しているサービスは異なります)。

今回の記事を読むと、MAM口座とPAMM口座の違いだけではなく、EAのよるシストレやコピートレードとの違いやメリット・デメリットがわかります。

MAM口座とは

PAMM口座についての詳細は別の記事でその仕組みやメリット・デメリットについて解説しました。

実は似たようなマネージドアカウントに「MAM口座」があります。

正式名は「Multi Account Manager」で、省略してMAMと呼んでいます。

すべてのFX業者にPAMM口座があるわけではないように、MAM口座を開設できる業者も限られています。

基本的に日本の金融庁では規制されていますので、国内FXの業者にはこのサービスがありません。

PAMM口座同様、MAM口座についても利用したい場合は海外FXに限定されます。

MAM口座とPAMM口座の違い

MAM口座もPAMM口座もどちらもプロのトレーダーに委託してトレードしてもらう形式に違いはありません。

どちらも自分の資金を別の人に運用してもらうので、投資信託のファンドマネージャーをイメージしてもらうとわかりやすいでしょう。

本業の仕事をしたり、家事や趣味、睡眠といった時間帯に自分に代わり、チャート分析やトレードをしてくれる自動売買取引です。

似た点も多いMAM口座とPAMM口座ですが、大きな違いもあります。

その違いについて詳しく解説していきましょう。

委託する権限の違い

MAM口座は自分の口座をプロトレーダーに委託してトレードしてもらいます。

一方でPAMM口座はマネーマネージャーのマスター口座に顧客の資金を集めて、それを運用していきます。

手数料がかかる点は同じで、損失が出た場合は手数料がかかりませんが、利益が出た場合は15%~30%ほどの報酬が引かれます。

違いは委託する権限で、MAM口座が発注のみの権限委託であるのに対し、PAMM口座は資金管理の権限も委託します。

すべて任せたのでどんなトレードをしてもいいから利益を出してほしいというのがPAMM口座で、トレードの内容によってはリスクが高すぎるので他のプロトレーダーにチェンジできるのがMAM口座です。

どちらについても出金の権限までは委託されませんので、勝手に資金を出金されてしまうというトラブルは発生しません。

透明性の違い

委託する権限が異なることで何が大きく変わるのでしょうか?

MAM口座は発注のみの権限委託ですからトレードの内容がすべて紐付けられています。

つまりどのようなトレードをして利益が出たのか、または損失になってしまったのかがすべてわかる仕組みです。

それに対してPAMM口座は、資金をマスター口座に預けますからどのようなトレードをしたのかまったくわかりません。

プロトレーダーにトレードしてもらい、そのトレードスタイルを参考にしたくてもPAMM口座ではできないということです。

このトレードの透明性がMAM口座とPAMM口座の大きな違いと言えるでしょう。

選べるプロトレーダーの違い

透明性が異なるため、集まるトレーダーにも違いが生まれてきます。

上級のプロトレーダーほど自分のロジックを見せることを嫌がりますので、MAM口座よりもPAMM口座に成果を上げやすいプロトレーダーが集まります。

もちろん上級のプロトレーダーでもロジックを見られることに抵抗のない人もいますから、MAM口座にも人気と実力を兼ね備えたトレーダーはいますが、その数には差があります。

それぞれのFX業者で専属のプロトレーダーが在籍していますので、同じMAM口座、同じPAMM口座であっても実績はFX業者によって大きく異なります。

MAM口座のメリットとデメリット

それではMAM口座とPAMM口座のどちらがいいのでしょうか?

どちらにもメリット・デメリットがありますので、そちらを解説していきましょう。

履歴確認ができ、トレードスキルを高められる

MAM口座の最大のメリットは、透明性が高いので、自分のトレードスキルを高めることができるという点です。

いずれは他人に頼らず裁量トレードで結果を出せるようになりたいと考えているのであればMAM口座を開設し、その詳細をつぶさに観察・学習していくという方法があります。

もちろんそれにはFXについて、ファンダメンタルズ分析、テクニカル分析について基礎知識を確立しておく必要があります。

その点が不十分な状態ではプロのロジックを見ても理解できる部分はほとんどありません。

MAM口座のメリットを活かすには、分析する時間があり、勉強する意欲がとても重要だということです。

逆にPAMM口座だとトレードの内容がまったくわかりませんから、トレードスキルが向上する機会はありません。

忙しくてプロのロジックを分析し、それを吸収するような時間がないのであれば、MAM口座よりも優秀なプロトレーダーが集まり成果が出やすいPAMM口座の方がメリットは大きいでしょう。

敏腕トレーダーを見つけにくい

PAMM口座と比較した際のMAM口座のデメリットは、超一流の敏腕トレーダーを見つけにくいという点です。

理由はMAM口座の場合、売買損益だけでなくトレードの内容まですべてわかってしまうからです。

FXに勝つためのロジックはなるべく他人の知られたくありませんし、知られて広まってしまうと通用しなくなってしまいますので、それを回避するためにMAM口座の委託は受けないプロトレーダーが多いのです。

もちろんMAM口座でも勝率の高いプロトレーダーや、大きな利益を上げているプロトレーダーが在籍していますので、どうしてもMAM口座を開設したいのであれば、信用できるFX業者で実績のあるプロトレーダーを探すようにしてください。

EAによるシステムトレードとの違い

裁量トレードとは違い、トレードを任せるという仕組みには、EAによるシステムトレードもあります。

システムトレードとPAMM口座の違いについて解説していきます。

システマチックなトレードのため臨機応変な対応が難しい

MT4やMT5といったトレードプラットフォームを利用しているのであれば、自分に合ったEAをダウンロードして自動売買取引を行うことができます。

海外FXでは主流ですが、国内FXの業者の場合はチャート分析用にMT4が使えるだけでEA使用不可というケースが多いです。

その代わりに国内FXではFX業者独自に開発したシステムトレードを提供しています。

どちらにせよシステムトレードは設定した数値になると自動的に売買を繰り返すようになっているため、24時間トレード可能です。

トレードに負担がかからない点はPAMM口座と同じですが、EAなどのシステムトレードはロジックが決まっており、システマチックなトレードに対応していますので、サプライズなどが起こった際の臨機応変な対応が難しくなります。

相場の高騰、暴落というチャンス・ピンチへの対応が鈍くなるのです。

その点、PAMM口座はプロトレーダーが状況に応じてポジショニングやエグジットをしてくれるためリスクを軽減することができますし、大きな変動の際に大きな利益を上げることが可能です。

運用コストは低い

PAMM口座の場合、利益が出ると報酬を支払うため手数料がかかりますが、EAなどの場合はその必要がありません(国内FXで独自開発のシストレを利用すると手数料がかかります)。

そのため取引コストはPAM口座よりも抑えることができます。

ただし、EAの購入代金が高額になることがありますし、自動売買取引を24時間行うためのVPS(仮想サーバー)のレンタル代などがかかります。

星の数ほどあるEAの中から利益を出し続けることができるものを探し出すのも一苦労です。

購入したEAのロジックが通用しなくなった場合、新しいEAを購入してトレードスタイルを変える必要もあります。

コストは抑えられますが、どのEAを使うべきか、どう設定するのか、いつ新しいEAに変更すべきかなど自分でやらなければいけないことも多いので、すんなり自動売買取引で利益を出していきたいのであればPAMM口座の方がおすすめです。

コピートレードとの違い

PAMM口座と同じようにプロトレーダーの力を借りる仕組みに、コピートレードミラートレードといったものもあります。

PAM口座とコピートレードの違いについて解説していきます。

ポジションシグナルが送信されてくる

コピートレードはプロトレーダーのトレードをコピーしてトレードをする仕組みですから、システムトレードよりもPAMM口座に近いトレードスタイルです。

どのプロトレーダーを選ぶのかを自分で決める点は同じですが、コピートレードではそのトレーダーがポジションを保有するとポジションシグナルが送信されてきます。

自動的にまったく同じポジションにするシステム型もあれば、シグナルを確認してトレードするかどうか自分で決める裁量型もあります。

手数料や成功報酬がかかる点もPAMM口座と同じです。

ロックアップ期間がない

コピートレードとMAM口座・PAMM口座は混同されがちですが、決定的に異なる点があります。

それはロックアップの期間があるのかないのかという点です。

MAM口座もPAMM口座もプロトレーダーが資金を運用し始めた直後に出金してしまうと証拠金維持率が低下してロスカットの対象になったりするため、運用開始から1ヶ月は運用停止や出金できなくなっています。

これがロックアップ期間です。

コピートレードの場合は、あくまでもプロトレーダーのトレードをコピーするだけなので、ロックアップ期間が存在しません。

つまりコピートレードだといつでも気軽に止めることができるということです。

縛りがない点はメリットですが、投資で成果を上げるには一定の期間が必要ですから、単純に損失が出たから切り替えるといったコピートレードをしているとなかなか成果には繋がりません。

そういったコピートレードの利用は、自分自身で判断する裁量トレードの延長線上ですから、思い切ってすべて委託してしまうPAMM口座の方が成果は大きく変えることができるでしょう。

まとめ

紹介してきたようにFXには、自分自身で判断する裁量トレード以外にもMAM口座やPAMM口座、EAによるシステムトレードやコピートレードなど様々なスタイルがあります。

一つのトレードスタイルに固執して損失ばかり積み上がっていくのであれば、まったく異なるやり方にチャレンジしてみるのもいいのではないでしょうか。

海外FXだからこそ可能なトレードスタイルがPAMM口座です。

資産を増やすことに行き詰まっているのであればぜひ試してみてください。

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