FXは取引コストがとても低価格で、平日は24時間いつでも取引できることから幅広い年代層に人気です。
分析するためのツールも豊富ですし、経済指標や金融政策に関する情報もタイムリーに入手できるので、特にメジャー通貨ペアについて予測はしやすくなっています。
しかし、負けて元金を減らしてしまう人も少なくありません。
今回の記事を読むと、FXの裁量トレードでうまくいかない人の特徴や改善について知ることができます。
裁量トレードとは

裁量トレードとは、「自分自身で判断し、トレードを行うこと」です。
ロウソク足チャートを確認して、どこでエントリーするべきか、どこでエグジットすべきかを自分自身で判断します。
時には突然大きなトレンドが発生するケースもありますので、そういった際に柔軟に対応できるのが裁量トレードのメリットです。
相場の変動から先行きを予測するのに役立つテクニカル分析用のインジケーターが充実していますし、ファンダメンタルズ分析用の情報入手もインターネットを利用して容易になっていますので、プロトレーダーに負けないトレードを行うことが可能です。
しかし、FX初心者や中級者は裁量トレードではなかなか勝てないのが実情です。
ハード面が整備されているのに勝てないのには大きな理由があります。
まずは裁量トレードで失敗する人の特徴について解説していきます。
裁量トレードで失敗するポイント
裁量トレードで失敗する最大のポイントは「メンタル」です。
特に人間は損失が出ると冷静な判断ができなくなり、損をしたくないという感情でトレードしがちになります。
この感情がとてもやっかいで、感情が入ってしまう点が裁量トレードのデメリットと言えます。

損切りが適切にできない!
どんな凄腕のプロトレーダーであっても常に予想が当たって勝ち続けることは不可能です。
もちろん予想が当たる可能性はFX初心者よりも高いのですが、それでも少なくとも3割~4割は負けます。
そこで差が付くのが「損切り」(ロスカット)です。
裁量トレードで失敗を重ねる人の多くが、この損切りを適切にできないためにトータルで負けているのです。
為替レートは下落しても反発して上昇したり、またはその逆もありますから、予想が外れて為替レートが変動しても戻るケースはいくらでもあります。
そのため含み損が出ても反発を期待してポジションを保有し続けると、さらに含み損が大きくなり、最終的には証拠金維持率が強制ロスカット水準を割り切って最大の損失に繋がってしまうのです。
「損はしたくない」、「為替レートが反転して利益が出るまで待つ」といった感情が強くなる人は、どうしても当初決めていた損切りラインを無視してトレードを続け、失敗に終わるというケースが多くなってしまいます。
常にポジションを保有したくなってしまう!
平日は24時間いつでもトレードできるからこその弊害もあります。
常にエントリーしてポジションを保有していないと気が済まなくなってしまう「ポジポジ病」がその弊害の一つです。
もちろんプロトレーダーの中にはチャートに張り付いてスキャルピングを行い、1日に何百という売買をして利益を積み上げているケースはあります。
しかし、超短期の変動はプロトレーダーであっても難しく、FX初心者や中級者ではなかなか勝てません。
ですから相場の予測が難しい中で常にエントリーしているので、トータルで負ける可能性は高まってしまいます。
これは「常にチャンスを逃したくない」という感情によるものです。
損大利小になってしまう!
FXで負ける人の特徴に含み益が出ると、「もし反転して含み損になると嫌だから今のうちにエグジットしてしまおう」という感情が強くなります。
損切りできないので損失確定した際には大きくなり、利益は常に小さいので、「損大利小」のトレードスタイルになってしまうのが特徴です。
これではいくら勝っても一度の負けでこれまでの利益がすべて吹っ飛んでしまいますので、どうしてもトータルで負けてしまいます。
失敗を回避する方法
それではこのような失敗を回避するためにはどのように改善していけばいいのかについて解説していきます。
適切なリスクリワードを設定すること!
プロトレーダーでも勝率60%ほどですが、トータルでは大きな利益を上げています。
それは利益平均と損失平均が異なるからです。
この比率を「リスクリワード」(リスクリワードレシオ)と呼びます。

(例1)
利益平均10万円 損失平均20万円 → 10万÷20万=リスクリワード0.5
(例2)
利益平均10万円 損失平均10万円 → 10万÷10万=リスクリワード1.0
(例3)
利益平均20万円 損失平均10万円 → 20万÷10万=リスクリワード2.0
リスクリワードが1.0の場合、勝率が50%を超えない限り利益にはならないことがわかります。
また、リスクリワードが1を下回っている場合は、高い勝率が必要になり、0.5であれば勝率66.7%以上でなければ利益が出ません。
逆にリスクリワードが2.0だと33.3%以上の勝率で利益となりますので、勝率を上げることよりもまずはリスクリワードの設定を1.5または2.0に上げていく必要があります。
そうすれば損小利大の理想的な展開でトレードをしていくことができるのです。
プロトレーダーがしっかりとFXで稼げているのは、分析や予想の力があることもありますますが、リスクリワードの設定をしっかりと管理しているからです。
自分で決めたルールは徹底すること!
FXで負け続けている場合、最も改善すべきは「自分で決めたルールは絶対に守る」という点です。
いくら損切り幅を設定しても、リスクリワードを設定しても、最終的に「やっぱり損はしたくない」、「速く利益確定してしまいたい」という感情に負けて、自分で決めたルールを破ってしまうと、そこから一気に破綻します。
とにかく「決めたことは徹底する」という強固なメンタルがFXで勝つためには必要です。
ここでポイントになるのが、デモトレードであればそれができるけど、実際に自分の大事なお金が増えたり減ったりするという中で感情に負けずにトレードすることは難しいということです。
「わかっていてもできない」、「設定しても実行できない」、これらが最終的にトータルでFXに負けてしまう重要なポイントで、わかっていてもできないのであれば裁量トレードで利益を積み上げていくことはかなり厳しいでしょう。
分析し、勝てるときにだけトレードすること!
「待つも相場」という言葉が昔からあるように、24時間いつでもトレードしていると勝てません。
FXに勝つためにはチャンスを待つということがとても重要です。
そのチャンスの一つがトレンドの転換期でしょう。
特に金融政策の転換で利上げから利下げになったり、金融緩和の状態から金融引き締めの状態になったりした時に為替相場は大きく変動します。
そういった金融政策に大きな影響を与える指標に「米雇用統計」があります。
発表前後はかなり変動が大きくなりますのでチャンスです。
テクニカル分析としてはチャートで抵抗線をブレイクスルーした際は強いトレンドになる可能性大ですので、こちらも大きなチャンスです。
このように自分の勝ちやすい相場のときだけトレードするといったことも勝率を高める上でとても重要です。
FXについて勉強し、情報収集も欠かさないこと!
勝率を高めるにはテクニカル分析用のインジケーターの利用方法を学ぶことや、各国の経済情勢、政策金利の動向など情報収集を欠かさないことが大切です。
ただし、毎日仕事や家事で忙しくて情報入手がどうしても遅くなりがちになったり、インジケーターの利用法まで深く勉強するのが難しい人もいます。
そういうトレーダーはFXではまったく勝てないのか、というとそうでもありません。
裁量トレードという方法を切り替えればいいのです。
最後に今解説した失敗を回避する方法がなかなか実践できない人でも勝てる方法について解説していきます。
忙しくてもFXで利益を上げるための方法
FXには自分自身で判断してトレードする裁量トレード以外にもトレードする方法がいくつかあります。
裁量トレードで利益を出そうと固執してしまっているから勝てないのであって、それ以外の方法に切り替えたら状況は大きく変わる可能性があります。
裁量トレードではなく自動売買取引に切り替える
どんなに忙しい人でもFXで利益を上げることができる最善の方法が「自動売買取引」です。設定したラインに為替レートが動くと24時間いつでも売買を繰り返してくれるので、仕事中でも寝ている間でも利益を積み上げていくことが可能です。

他にも「MAM口座」や「PAMM口座」のように、プロトレーダーに依頼して自分の代わりにトレードして運用してもらうという方法もあります。
こちらもチャートに張り付いて分析したりする手間が省けるので、忙しい人にはたいへん便利です。
PAMM口座についての詳細は別の記事で解説していますので、興味のある方はぜひそちらをご覧下さい。
自動売買取引に切り替える最大のメリットは、「感情に左右されずにFXができる」という点です。
特にプロトレーダーにトレードを任せる場合は、自分自身の感情が入り込む余地がありません。
損切りするかどうか悩むことや、ちょっとの含み益で利益確定すべきか悩むといった点をすべて解決することができます。
このように弱点を克服することで負け続けていたFXから一転して勝ち続けるFXに変えることが可能です。
国内FXより海外FXの方が選択肢は広い
国内FXでも自動売買取引をアピールポイントにしている業者はあります。
しかし国内FXでは、自社開発した自動売買取引の仕組みのみの提供で、柔軟な対応ができません。
MT4という取引ツールを使っていると世界中で開発されたEAをダウンロードして様々な自動売買取引を24時間行えますが、残念ながら国内FXではそれができないFX業者ばかりです(MT4の分析ツールだけ利用できてトレードはできないケースが多いです)。
一方で海外FXに目を向けると、取引ツールにMT4を採用していますし、好きなEAをダウンロードして自動売買取引を行える仕組みになっています。
自動売買取引については、明らかに国内FXよりも海外FXの方が選択肢は広いのです。
EAによる自動売買取引の他にCMGのように、MAM口座でプロトレーダーにトレードを任せるサービスも提供している業者がありますから、自由度も海外FXが圧倒しています。
まとめ
裁量トレードで利益を上げるのは本当に難しいです。
経験を積んだとしても、そう簡単に勝てるものではありません。
裁量トレードの失敗の回避策を実践できそうもない場合は、速やかに裁量トレードを一端中止して、自動売買取引やMAM口座の利用に移行することをおすすめします。
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