海外FXのスプレッド、スワップポイント、手数料はどのくらい?

海外FX

その昔、FXがスタートした頃は取引手数料というものがありましたが、現在のFXでは国内FX、海外FX問わず取引手数料無料というのが大部分です。

外国為替も現物取引(両替)になると手数料がかかりますし、投資信託などFX以外の投資でも手数料がかかるので、取引手数料無料はとても助かるサービスです。

ただし、取引コストがゼロというわけではありません。

この記事を読むと海外FXの取引コストに該当するスプレッドスワップポイントECN口座の手数料についてわかります。

FXの取引コスト

FXの取引コストの代表が「スプレッド」です。

為替レートに対して一定の差をつけた買値・売値を提示することでFX業者は利益を得ることができます。

この差額がスプレッドです。

他にも「マイナススワップ」となっている通貨ペアを保有すると、1日経過するごとに損失が積み上がっていきます。

これも一種の取引コストです。

また、取引手数料とはっきり明記しているケースもあります。

それが「ECN口座」です。

実際はここに入出金の手数料も加わってトータルのFXコストになりますが、入出金については別の記事で詳しく解説していますので、そちらをご覧ください。

今回は取引コストに限定して話を進めていきます。

海外FXのスプレッド

国内FXと海外FXではスプレッドに大きな差があります。

超ハイレバレッジを提供してくれているのだからスプレッドが広くても仕方がないと納得されているトレーダーもいると思いますが、実は取引方式の仕組みが異なるためにスプレッドに大きな差が生れているのです。

DD方式とNDD方式の違い

FX業者内の取引方式は大きく分けてDD(ディーリングデスク、相対取引)方式と、NDD(ノーディリングデスク)方式の2種類に分けられます。

DD方式はFX業者が仲介役としてトレーダーの注文をインターバンク市場に流していますが、実際はその反対注文を入れているケースもあります。

トレーダーの注文をひとまず受け付け、勝てそうだと判断した注文についてはインターバンク市場に流し、勝てそうもない注文については反対注文を入れるという「吞み行為」です。

一方でNDD方式はトレーダーの注文をそのままインターバンク市場に流すため吞み行為はありません。

取引方法が異なるためDD方式はスプレッドが狭くなり、NDD方式ではスプレッドが広くなります。

DD方式はなぜスプレッドが狭いのか

国内FXはほとんどがDD方式ですので、吞み行為でFX業者は利益を上げることができます。

吞み行為だと、トレーダーがロスカットとなった場合、その損失がそのままFX業者の利益になるのです。

ですからスプレッドは極限まで狭くすることができます。

米ドル/円であれば0.2pipsといったスプレッドの狭さが当たり前のようになっています。

これだと1万通貨のトレードをして往復の取引コストはわずか40円で済みます。

ただし、DD方式にはデメリットがあり、そのままインターバンク市場に流すか吞むかといった判断を挟むために約定が遅くなります。

また、リクオート(価格の再提示)やスリップページなど、トレーダーの不利な為替レートで約定するケースも少なくありません。

いかにスプレッドが狭くても、リクオートや約定拒否、スリップページなどが起こってしまえば損失の方が大きくなってしまいます。

透明性の高いNDD方式はスプレッドが広い

それではNDD方式はなぜスプレッドが広くなるのでしょうか?

理由は吞み行為が発生しないので、スプレッドがFX業者の主な利益になるためDD方式のスプレッドよりも広くなっているのです。

この場合、ロスカットによるトレーダーの損失はFX業者の利益にはなりません。

NDD方式は利益相反ではないということです。

海外FXの場合はNDD方式のFX業者が多いのでスプレッドは広めです。

米ドル/円であれば1.1pipsほどが目安です。

1万通貨のトレードであれば往復220円、1Lotの標準サイズである10万通貨のトレードであれば往復2,200円です。

比べてみるとDD方式よりもスプレッドは圧倒的に広いことがわかります。

しかし、透明性の高いNDD方式は約定の速度も速く、リクオートやスリップページの発生確率も低くなります。

超ハイレバレッジを利かせている場合、リクオートやスリップページが頻繁に起きるとそれだけで大きな損失です。

ですから海外FXの場合は、多少スプレッドが広くても安全にトレードできるNDD方式が最適なのです。

海外FXのスワップポイント

通貨ペアを保有すると両国の金利差を反映した「スワップポイント」が付与されます。

例えばマイナス金利政策を継続している日本と度重なる利上げを行っているアメリカでは、5%以上の金利差がありますで、米ドル/円のロングポジションだと金利差分のプラススワップが付与され、ショートポジションだとマイナススワップが付与されるというものです。

スワップポイントは日をまたいで保有すると(ロールオーバー)発生しますので、マイナススワップであれば損失が毎日積み上がっていきます。

スワップポイントがどのような数値なのかは、利用しているMT4またはMT5ですぐに確認することが可能です。

ロングでもショートでもマイナススワップ

スワップポイントはFX業者ごとの裁量で決められるので、同じ通貨ペアでもFX業者によってバラバラです。

国内FXではロングかショートかどちらかはプラススワップになるFX業者が多いですが、海外FXの場合は例えこれほどの金利差のある米ドル/円でロングポジションでもマイナススワップというFX業者は少なくありません。

つまり海外FXではロングでもショートでもマイナススワップが発生することは珍しくないのです。

また、付与されるスワップポイントは保有しているポジションの量に比例します。

たくさんのポジションを保有しているほどプラススワップであれば利益が大きくなりますし、マイナススワップだと損失が大きくなります。

特に超ハイレバレッジでトレードできる海外FXではポジションの量が大きくなりがちなので注意が必要です。

積み上がるマイナススワップが大きいとそれだけ取引コストもかかっていると考えてください。

海外FXではデイトレードがおすすめ

マイナススワップを気にしていると海外FXでトレードできる通貨ペアに制限がかかってしまいます。

マイナススワップはあくまでも日をまたいで発生するものですから、日をまたぐ前に決済してしまえば付与されません。

海外FX初心者には、中・長期でポジションを保有して為替差益やプラススワップを狙っていくよりも、1日の中で売買を完結させてしまうデイトレードの方がおすすめです。

それだとどれだけマイナススワップが大きい通貨ペアでもリスクなしに扱うことができます。

スワップポイントに適している銘柄は?

仮にプラススワップを積み上げていくスワップトレードをしていきたいのであれば、ボラティリティー(変動)ができるだけ低い通貨ペアを狙っていくべきです。

新興国通貨が絡むとプラススワップが大きく設定されるケースが多いですが、新興国通貨はリスクが高く為替レートのボラティリティーが高いため、積み上げたプラススワップが為替差損によって一瞬で消えてしまう可能性があります。

まずは米ドル/円のロングなどメジャー通貨で試してみるのが無難です。

両建てするとどんな通貨ペアであってもマイナススワップの方が大きく損失が膨らみますので、プラススワップが付与されるポジションだけを保有します。

この際、スワップポイントを比較して有利なFX業者を選ぶことも重要です。

FXでも手数料がかかるECN口座

最後にFXの中には手数料がかかるケースがありますので、別途手数料を支払う必要のある「ECN口座」について解説していきます。

NDD方式にも2種類ある

実はNDD方式はさらに2種類に分けられます。

  • STP方式 NDD方式ですが、FX業者を仲介してマッチングします。
    DD方式と異なるのは、吞み行為のような注文の操作がないという点です。
  • ECN方式 FX業者を通さずに注文が直接インターバンク市場に流れます。
    スワップポイントも限りなく狭いですので、スキャルピングなどに適していますが、それだとFX業者の利益がなくなってしまうので、別途手数料を設けています。
    ECN方式のアカウントだと10万通貨のトレードで片道いくらなのか決まっています。
    こちらの手数料はFX業者によって異なり、CMGのプロアカウントだと10万通貨のトレードで片道3.5ドルの手数料がかかります。
    スワップポイントは狭いので、手数料無料の他のアカウントと比較してもトータルの取引コストに大きな差はありません。

同じNDD方式でも、STP方式だと手数料は無料だがスプレッドは広い、ECN方式は有料だがスプレッドが狭いということです。

海外FXでは、豪華なボーナスを提供しているFX業者も多いですが、ECN方式でトレードした場合はその対象外と設定しているケースがほとんどです。

他のアカウントと比較してECN口座だけレバレッジ規制を行っているFX業者もあります。

どこのFX業者でものECN方式のアカウントは特別で、FX中級者~上級者向けなのです。

手数料は経費に含むことができるのでお得

取引コストとしては、スプレッドが狭い以上に手数料がかかるのでECN方式の方が高くつきます。

ECN方式にはそれだけの透明性や約定率の高さという価値があるのですが、実はそれだけではありません。

海外FXの納税の仕組みの記事でも紹介したように、ECN口座の手数料は外付けになっていますので経費として計上することが可能なのです。

節税面まで考慮すると、ECN口座の取引コストはさらに下がります。

海外FX初心者の場合は、まずはスタンダードなアカウントを開設して海外FXに慣れていくことが先決です。

安定して利益を出せるようになってきてから、ECN方式のアカウントの開設でも遅くはありません。

まとめ

FXは取引手数料無料が前提ですが、実際はいろいろと取引コストがかかっています。

この点が明確になっていないと、トレードで利益が出ても、トータルでマイナスという結果になってしまう可能性がありますので、どこで何にどのくらいコストがかかっているのかをしっかり確認してトレードを進めていくことが大切です。

CMGのスプレッドやアカウントの詳しい解説は別の記事になりますので、ぜひそちらも確認してみてください。

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